こんにちは。ワインノオト運営者で、現役ソムリエのまさです。
家でゆっくりワインを楽しもうと思ったとき、ふと「シャンパングラスとワイングラスの違いってなんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。形の種類が多すぎて、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。代用ができるのか、それとも兼用できる便利なものがあるのか、100均のクオリティはどうなのか。
さらにはリーデルや木村硝子といったブランドごとの特徴も気になるところかなと思います。私自身、ソムリエとして多くのグラスに触れてきましたが、実は家庭での正解はもっとシンプルでいいと感じています。

- 日本ソムリエ協会認定の現役ソムリエ
- 現役バーテンダーでもあるお酒のプロ
- 家飲みでいかにワインをおいしく楽しむか探求中
- 夫婦そろってソムリエなので、記事情報の正確さには自信あり
この記事では、そんなグラス選びの悩みをスッキリ解決して、皆さんが最高の一杯に出会えるお手伝いをします。
- シャンパングラスとワイングラスの構造的な違いと役割
- 専用グラスがなくても美味しく飲むための代用テクニック
- 初心者から愛好家まで納得できる「万能グラス」の魅力
- お気に入りのグラスを長く使うための正しいメンテナンス法
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知っておきたいシャンパングラスとワイングラスの違い

まずは、なぜシャンパン用とワイン用で形が分かれているのか、その根本的な理由から見ていきましょう。
グラスの形状は、単なるデザインの好みで決まっているわけではありません。そこには、お酒のポテンシャルを最大限に引き出すための物理学と、私たちが美味しさを感じる生理学的なメカニズムが深く関わっています。
泡立ちと香りを左右する形の種類

シャンパングラスとワイングラスの最も決定的な違いは、お酒の中に含まれる「炭酸ガス(泡)」をどう扱うか、という点に集約されます。これを理解すると、なぜレストランで複数の形のグラスが並んでいるのかが納得できるようになりますよ。
シャンパングラスの代名詞といえば、シュッと細長い「フルート型」ですよね。なぜあんなに細長いのかというと、液体が空気に触れる面積(液面積)を最小限に抑えることで、炭酸が抜けるのを遅らせるためなんです。
シャンパンにとって泡は命。細長いグラスの中を、一筋の泡がゆっくりと直線的に立ち上る様子は「コルドン」と呼ばれ、視覚的にも非常に美しく、お祝いの席には欠かせない演出ですよね。また、グラスの底にはわざと微細な傷(発泡ポイント)が付けられていることもあり、そこを起点に美しい泡の柱が作られます。
一方で、スティルワイン(泡のないワイン)用のグラスは、ボウル部分がゆったりと膨らんでいます。これはシャンパンとは正反対の目的、つまり「空気に触れさせること(酸化)」を意図しているからです。ワインは空気に触れることで、閉じていた香りが一気に開き、複雑なアロマが鼻腔をくすぐります。
もし赤ワインを細いシャンパングラスで飲んでしまったら、この香りの広がりをほとんど感じることができず、非常にもったいないことになってしまいます。さらに、飲み口の広さは、ワインが口の中に入る時の「流速」もコントロールしています。口径が広いグラスは、液体が舌の上にじわっと広がるため、味覚を全体で感じやすくなるんです。
シャンパングラスは「泡の美しさと刺激の持続」を、ワイングラスは「香りの解放と酸化による変化」を最大限に引き出す形をしています。

さらに詳しく知りたい方は、シャンパンの泡の科学について研究しているフランス・ランス大学のジェラール・リジェ・ベレール博士の研究などが非常に参考になります。
彼は、グラスの形状が炭酸ガスの放出や香りの感じ方にどう影響するかを物理学的に証明しており、フルート型よりも少し膨らみのあるグラスの方が香りを捉えやすいといった興味深いデータも出しています。私たちが直感的に「美味しい」と感じる裏側には、こうした科学的な根拠が隠されているんですね。
ここで、ワイングラスの持ち方についても知っておいてほしいと思います。ぜひ、「ワイングラスの持ち方に悩む女性が品よく見える正しいマナーと美しい所作」の記事をご覧ください。
どっちがいいか迷った時の代用法

「家にはシャンパングラスがないけれど、どうしてもシャンパンをおいしく飲みたい!」という状況、ありますよね。そんな時、実はワイングラスが最強の代用品になるんです。というか、最近のプロの世界では「代用」というよりも「あえてワイングラスを選ぶ」ことさえ増えています。
特に白ワイン用のグラスは、最近のプロの間でもシャンパンを飲む際の「正解」の一つとして推奨されています。なぜなら、最近のシャンパンは非常に質が高く、単なる「泡の刺激」を楽しむだけでなく、ブドウ本来の複雑な香りを味わう傾向が強まっているからです。
白ワイングラスで飲むと、フルート型では閉じ込められていた、完熟したリンゴやナッツ、トーストのような芳醇な香りが広がり、よりワインとしての深い味わいを感じることができます。私自身、家でヴィンテージシャンパンを飲むときは、あえて大きめの白ワイングラスを選ぶことも多いですよ。
たとえば、世界的に高く評価されている「キャティア・シャンパン徹底解説!アルマンド製造元の値段と評価」の記事でも触れていますが、キャティアのような厚みのあるシャンパンを楽しむ際は、細いグラスよりも少しゆとりのあるグラスの方が、その重厚な果実味をしっかりキャッチできます。高級な銘柄ほど、香りの要素が多いので、ワイングラスの方がポテンシャルを発揮しやすいんです。
ただし、代用する際にはいくつか注意点もあります。大きな赤ワイン用のブルゴーニュグラスなどでシャンパンを飲むと、液面積が広すぎて炭酸があっという間に抜けてしまい、少し抜けたコーラのような物足りなさを感じてしまうかもしれません。
代用するなら「小ぶりな白ワイングラス」がベストだと覚えておいてくださいね。炭酸の爽快感を取りたいか、ワインとしての香りを重視したいかで、使い分けるのがソムリエ流の楽しみ方です。

シャンパンをワイングラスで代用するメリット:香りがより豊かに感じられ、ワインとしての複雑味を堪能できる。
デメリット:炭酸が抜けるのが早まり、視覚的な泡の立ち上がり(コルドン)は楽しみにくい。
100均で見つかる薄型グラスの質

最近の100円ショップの進化には、ソムリエである私も正直驚かされています。ダイソーやセリアなどの店頭に並んでいる「薄グラス」のシリーズは、一昔前の100均グラスとは全く別物と言っても過言ではありません。
かつての安価なグラスは、飲み口がボテッとしていて厚みがあり、ワインの繊細な味を損なってしまうものが多かったのですが、最新のモデルは非常に薄く仕上げられています。
なぜ「薄さ」が重要なのかというと、「唇と液体の距離」がおいしさに直結するからです。飲み口が薄ければ薄いほど、グラスの存在感が消え、まるで液体そのものに触れているようなダイレクトな味わいを楽しむことができます。
100円や200円でこの体験ができるのは、正直言って驚異的なコストパフォーマンスです。家でデイリーワインをガブガブ飲む分には、これほど心強い味方はありません。
また、100均にはグラス以外のワイングッズも充実しています。たとえば「ワインオープナーはダイソーや100均でいい?全4種比較とプロ推奨の選び方」の記事でも紹介している通り、最近はオープナーなどの小物もかなりのクオリティ。
グラスとセットで100均で揃えてしまえば、たった数百円でワインライフがスタートできてしまいます。キャンプやアウトドアなど、破損のリスクが高い場所でも気にせず使えるのは、100均ならではの強みですね。
しかし、やはり専門ブランドのグラスと比べると、いくつかの限界もあります。まず、ガラスの材質が一般的な「ソーダガラス」であることが多く、高級グラスに使われる「クリスタルガラス」に比べると透明度や輝きがわずかに劣ります。
また、金型で作る際に出る「合わせ目(継ぎ目)」が目立ったり、リム(飲み口)の処理が少しザラついていたりすることもあります。さらに、薄く作る技術は上がっていますが、耐久性に関してはやや脆い面もあるため、洗うときには注意が必要です。
100均の薄グラスは非常にコスパが良いですが、食洗機非対応のものが多く、急激な温度変化や衝撃には弱いため、手洗いで優しく扱うようにしましょう。また、形が画一的なので、特定の品種に特化した性能を求めるなら物足りなくなるかもしれません。
リーデルのグラスが愛される理由

ワイングラスを語る上で絶対に外せないのが、オーストリアの老舗「リーデル(RIEDEL)」です。なぜリーデルがここまで世界中のプロや愛好家に支持されているのか。
その理由は、彼らが世界で初めて「ワインの個性を引き出すのはグラスの形状である」という概念を提唱し、形を科学したからです。単なる美しさではなく、機能を追求した結果のデザインなんです。
私もリーデルグラス愛好家の一人。ワインの種類に合わせてすべてリーデルグラスでそろえています。

リーデルの最大の特徴は、品種ごとに特化したグラスがラインナップされていることです。カベルネ・ソーヴィニヨンなら渋みを和らげる縦長、ピノ・ノワールなら香りを凝縮させる金魚鉢のような形、といった具合に、ブドウの個性を最大限に高めるための計算が尽くされています。
実際に同じワインをリーデルの専用グラスと普通のワイングラスで飲み比べてみると、その差は歴然。ワインの酸味、甘味、渋みのバランスが整い、全く別の飲み物のように感じられることさえあります。これは、グラスの形状が液体を舌のどの部分に導くかをコントロールしているからなんです。
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リーデルの代表的なシリーズ
| シリーズ名 | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| ヴィノム (vinum) | 世界中に愛されるマシンメイドの傑作 | 本格的な品種別グラスを揃えたい方 |
| リーデル・オー (RIEDEL O) | ステム(脚)がないカジュアルな形 | 日常使いしたい、収納を楽にしたい方 |
| ヴェリタス (VERITAS) | ハンドメイドのような薄さと軽さ | 最高のテイスティング体験を求める方 |
リーデルの公式サイトでは、グラスの形状と味覚の相関について詳しく解説されています。気になる方は(出典:RIEDEL公式サイト『味覚の科学』)をチェックしてみてください。
私もリーデルのグラスを使うたびに、その精密な設計には脱帽してしまいます。お家でのワイン体験を一段階引き上げたいなら、まずはリーデルの自分の好きな品種用を一脚手に入れるのが、最も確実な近道かもしれません。一つのブランドでこれほどまでに深く探求されているのは、ワインへの愛以外の何物でもありませんね。
木村硝子のピッコロが人気の秘密

日本の食卓に革命を起こしたと言っても過言ではないのが、東京・湯島に拠点を置く「木村硝子店」の「ピッコロ(piccolo)」シリーズです。最近、お洒落なバルやインテリア雑誌でもよく見かけますよね。
このグラスがなぜこれほどまでに人気なのか、その最大の理由は「日本の住環境とライフスタイルに完璧にフィットしているから」に他なりません。西洋の文化であるワインを、日本の感覚で見事に解釈したプロダクトと言えます。
ピッコロの最大の特徴は、何と言ってもその「低さ」です。一般的なワイングラスはエレガントさを出すためにステム(脚)が長く作られていますが、これが日本の狭い食卓では圧迫感を生んだり、ちょっとした拍子に倒してしまったりする原因になっていました。
しかし、ピッコロはステムを極限まで短くすることで、抜群の安定感を実現しています。それでいて、ボウル部分の形状は本格的なワイングラスそのもの。飲み口も驚くほど薄く仕上げられており、味わいを一切妥協していません。この「親しみやすさと本格感」のバランスが絶妙なんです。
ピッコロシリーズの魅力
1. 背が低いため、倒れにくく食卓で邪魔にならない。
2. 収納スペースを選ばず、一般的な食器棚にスッと収まる。
3. ワインだけでなく、ビール、冷酒、ジュースなど汎用性が非常に高い。
4. 手の届きやすい価格帯ながら、プロも認める繊細な口当たり。
見た目がコロンとしていて威圧感がないので、リラックスしてワインを楽しめるんですよね。また、ステムが短いことで洗うのも格段に楽になりますし、万が一割れてしまっても「また買い直せる」という安心感もあります。
お家でのワインは、背伸びしすぎないことも長く楽しむコツですから。ピッコロは、まさに「日常を少しだけ豊かにしてくれる」そんな魔法のようなグラスなんです。
シャンパングラスとワイングラスの違いを埋める兼用モデル
「種類を揃えるのはお金もかかるし、場所も取る……」そんな悩みを解決してくれるのが、最近主流になりつつある万能(ユニバーサル)グラスという考え方です。現代の多様なライフスタイルに合わせて、グラスも進化しているんです。
兼用を可能にする万能型の形

近年、グラス業界でトレンドとなっているのが、赤・白・泡のすべてをカバーする「ユニバーサルグラス(万能型グラス)」という考え方です。かつては「ワインごとにグラスを変えるのがマナー」という風潮もありましたが、今は「お気に入りの一脚ですべてをおいしく楽しむ」というスタイルが、プロの間でも、そして一般家庭でも非常に支持されています。これはワインの楽しみ方がより自由になり、品質そのものが底上げされた結果でもあります。
この万能型グラス、共通しているのは「チューリップ型」をベースにした中庸な形状です。ボウルの中央が適度に膨らんで香りを溜め込みつつ、口元に向かって少しすぼまっているため、シャンパンの泡の立ち上がりも綺麗に演出できます。
サイズ感も大きすぎず小さすぎず、まさに「ちょうどいい」んです。これ一脚あれば、乾杯のシャンパンから、繊細な白ワイン、そして力強い赤ワインまで、及第点以上のパフォーマンスで応えてくれます。特に、複数のキュヴェを持つワインメーカーを訪れる際なども、こうした万能グラス一脚でテイスティングを行うことが増えています。
たとえば、こちらの記事「ワインのキュヴェとは?意味や種類、失敗しない選び方をソムリエが解説」を読んで、特別な一本(キュヴェ)を選んだときにも、万能グラスは頼もしい存在です。そのワインが持つ独特の個性を、過不足なくバランスよく拾い上げてくれるからです。
特定の個性を強調しすぎないからこそ、ワイン本来の姿を冷静に見極めることができるというメリットもありますね。ミニマリストの方や、これからワインを本格的に楽しみたいけれど何を揃えればいいか分からない、という方には最強の味方になります。
万能型グラスは、日本の住宅事情や「まずは一脚から始めたい」という初心者の方にとって、最も合理的で賢い選択肢になります。
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香りが開く最新トレンドの飲み方

最近、高級なワインバーやレストランに行くと、シャンパンが背の高いフルート型ではなく、ゆったりとした白ワイン用のグラスで出てくることが増えていませんか?
これは決して手抜きではなく、シャンパンを「泡の出る飲み物」ではなく「泡の出るワイン」として正しく評価しようという、世界的なトレンドなんです。この傾向は、特にプレステージ・シャンパーニュや長期熟成の銘柄において顕著ですね。
シャンパン、特に「ブラン・ド・ノワール」のような黒ブドウ主体の重厚なタイプや、何年も熟成させたヴィンテージシャンパンなどは、実は非常に香りが豊かです。細いフルートグラスだと、その豊かな香りが狭い空間に閉じ込められたままになってしまい、十分に楽しむことができません。
これを少し広めのグラスに注いで、ワインと同じようにゆっくり空気に触れさせると、ナッツや蜜、トーストのような贅沢な香りが爆発的に広がります。液体の温度もわずかに上がることで、冷たさで隠れていた甘みや旨味が顔を出してくるんです。
お家でちょっと奮発して高いシャンパンを買ったときは、ぜひ一度、白ワイングラスで試してみてください。「今まで飲んでいたシャンパンは何だったの?」と思うほど、味の深みや余韻が違って感じられるはずです。
炭酸のピリピリとした刺激が少し落ち着くことで、ベースとなっている「静止ワイン」としての完成度の高さをダイレクトに感じられるようになりますよ。
ただし、あまりに勢いよく回しすぎると炭酸が完全に抜けてしまうので、優しく扱うのがコツですね。この贅沢な香りの広がりを知ってしまうと、もう元の細いグラスには戻れなくなるかもしれません。
最初の一脚におすすめのブランド

「よし、万能グラスを買おう!」と思ったときに、私が自信を持っておすすめできるブランドを厳選しました。どれも私が実際に現場や自宅で使い込み、その実力に惚れ込んでいるものばかりです。一見同じように見えても、それぞれにブランドの哲学が込められています。
| ブランド・モデル | 特徴 | おすすめの理由 |
|---|---|---|
| リーデル・ヴェリタス(シャンパーニュ) | 卵型の美しいシルエット | 泡を綺麗に保ちつつ、香りを最大限に広げる傑作。これ一脚で白ワインも赤ワインも驚くほどバランスよく楽しめます。 |
| ザルト(Zalto)ユニバーサル | 羽根のような軽さと極薄の飲み口 | ハンドメイドグラスの最高峰。ワインの味を一番クリアに、かつエレガントに伝えてくれる、プロの愛用者も多い逸品。 |
| ガブリエルグラス (Gabriel Glas) | ボウル下部が大きく膨らんだ独特な形 | これ一脚でどんなワインもOKという「ワン・グラス」哲学を極めた逸品。非常にタフで扱いやすいのも魅力。 |
特にザルトのユニバーサルは、一度手にするとその軽さに衝撃を受けるはずです。鉛を含まないカリクリスタルで作られており、飲み口が極限まで薄いため、グラスを意識せず液体と対話しているような感覚になります。
お値段は少し張りますが、これ一脚で数年、数十年のワインライフの質が変わると思えば、決して高い買い物ではないかなと思います。もちろん、日常使いで気負わずに使いたいなら、先ほど紹介した木村硝子のピッコロから始めるのも大正解です。自分の予算とライフスタイルに合わせて、まずは「これだ!」と思う一脚を選んでみてくださいね。
破損を防ぐ丁寧な洗い方のコツ

良いグラスを手に入れた後、誰もが通る試練が「破損」です。特に薄い高級グラスは、ちょっとした扱いで簡単にポキッと折れてしまいます。ソムリエでもたまにやってしまうこの悲劇を避けるために、これだけは守ってほしい鉄則があります。慣れてしまえば簡単ですが、最初は意識的に行うことが大切です。
一番危ないのは、ボウルの中を拭くときに「台座を持ってボウルを回す」という動作です。グラスのステム(脚)は垂直方向には強いのですが、横からのねじれには非常に弱く、雑巾を絞るような力を入れると一瞬で折れてしまいます。
拭くときは、必ず「拭いている部分の近くを持つ」ことを徹底してください。ボウルを拭くときはボウルを、ステムを拭くときはステムを支えるようにします。また、指先に力が入りすぎないよう、クロスの厚みを上手く利用して、表面を撫でるように滑らせるのがコツです。
グラスを洗うスポンジは、油汚れのついたカレー皿などを洗ったスポンジと共用せず「グラス専用」を別に用意しましょう。油分が少しでも残ると、シャンパンの泡立ちが極端に悪くなる原因になります。
また、洗うときはぬるま湯を使い、洗剤を使いすぎないことも大切です。汚れがひどくない場合は、お湯だけで洗うのもアリです。
最後に、マイクロファイバーのクロスを2枚使い、素手でグラスに触れないように(指紋がつかないように)拭き上げれば、お店のようなピカピカの仕上がりになりますよ。少し手間はかかりますが、このお手入れの時間もワインを楽しむ儀式の一部だと思えば、より愛着が湧いてくるものです。
綺麗になったグラスを眺めながら、次に開ける一本を想像するのも楽しいですよ。
収納に適した形とサイズ選び

さて、最後の関門が「収納」です。お気に入りのグラスを買ったはいいものの、「食器棚の棚板に当たって入らない!」というのは本当によくある話です。海外製の本格的なグラスは背が高いものが多く、全高が25cmを超えることも珍しくありません。
購入前には必ず、ご自宅の棚の高さを測っておきましょう。また、グラスは繊細なので、ある程度の「ゆとり」を持って並べられるスペースも必要です。
もし収納スペースに不安があるなら、やはり「低重心モデル」や「ステムレス」がおすすめです。先ほど紹介した木村硝子のピッコロや、リーデルの「オー」シリーズなら、一般的なコップと同じ感覚で収納できます。
また、ステムレスタイプは重心が低いため倒れにくく、食洗機にも入れやすい(※食洗機対応モデルに限る)という実用面でのメリットが非常に大きいです。最近ではステムレスでも非常に形状が計算されたものが多く、香りの立ち上がりも十分満足できるレベルになっています。
収納のコツ:
・地震対策として、グラスを伏せて置くか、滑り止めシートを敷くのが安心。
・背の高いグラスは、奥ではなく手前に置くと取り出し時の破損を防げる。
・頻繁に使うものは出しやすい高さに配置し、無理な姿勢で取り出さないようにする。
自分の部屋の広さや、食器棚の余裕に合わせて、無理なく管理できるグラスを選ぶことが、ワインを「特別な日のもの」から「日常の楽しみ」に変えてくれる鍵になるかなと思います。
無理して高価で大きなものを揃えても、割るのが怖くて結局コップで飲んでいる……となっては本末転倒ですからね。自分にとって一番心地よい距離感のグラスを選んでみてください。
シャンパングラスとワイングラスの違いの最適解

さて、長々とお話ししてきましたが、シャンパングラスとワイングラスの違いについての結論は出たでしょうか。
ソムリエとして皆さんに最後にお伝えしたいのは、グラスはあくまで「ワインをより楽しむための道具」であって、そこに絶対的な正解はない、ということです。形式にこだわりすぎて、肝心のワインを楽しむ心が疎かになってはもったいないですからね。
昔ながらのルールに縛られず、自分が一番「おいしい」「心地よい」と感じるスタイルを見つけるのが一番です。さらにグラス選びの次は、そのワインを何と合わせるかも楽しみの一つですよね。「ワインペアリングの完全ガイド|簡単にできるマッチングの楽しみ方も解説」を参考に、料理との相性も考えてみると、グラスによる味の変化がさらに鮮明に分かるようになりますよ。
お気に入りのグラスで、最高のペアリングを見つけた時の感動は、何物にも代えがたいものです。もし迷ったら、まずは木村硝子のピッコロやリーデルの万能モデルから始めてみてください。
お家で美味しいお酒を飲む時間は、日々の疲れを癒やしてくれる大切なひととき。そんな時間を、お気に入りのグラスと共に過ごせることを願っています。ワインについてもっと詳しく知りたくなったら、他の記事もぜひ覗いてみてくださいね。それでは、最高のワインタイムを!
※この記事で紹介している数値やサイズ、価格帯はあくまで一般的な目安です。製品の仕様は変更されることがありますので、正確な情報は必ずメーカー公式サイトや正規販売店の情報を確認するようにしてくださいね。最終的な判断は、ぜひご自身の手に取って納得したものを選んでみてください。
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