グレネリー・エステートリザーブ・レッドをプロが評価|当たり年は?

グレネリー・エステートリザーブ・レッドをプロが評価

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こんにちは。ワインノオト運営者で、現役ソムリエの「まさ」です。

「ボルドーワインの重厚さが好きだけど、最近の格付けワインは高すぎて手が出しにくい……」「3,000円前後で、週末のディナーを格上げしてくれるような、本当に感動できる赤ワインはないかな?」そんな風に、ちょっと贅沢でコストパフォーマンスに優れたワインを探している中で、南アフリカの至宝「グレネリー・エステートリザーブ・レッド」という名前にたどり着いたのではないでしょうか。

ネット上の評価や口コミを検索してみると、「コスパ最強」「ボルドーの数倍の値段の味がする」なんて言葉が並んでいますが、実際のところ味わいはどうなのか、当たり年のヴィンテージはいつなのか、今買ってすぐに飲んでもおいしいのか、気になりますよね。実はこのワイン、単なる「南アフリカ産のボルドーブレンド」ではありません。フランス・ボルドーの超名門シャトーのDNAを色濃く受け継ぎつつ、18世紀の歴史的なロマンを現代に再現した、世界でも唯一無二のコンセプトを持つ1本なんです。

プロフィール画像
  • 日本ソムリエ協会認定の現役ソムリエ
  • 現役バーテンダーでもあるお酒のプロ
  • 家飲みでいかにワインをおいしく楽しむか探求中
  • 独自に評価基準を設定しプロ目線でワインを評価

この記事では、ソムリエとしての私の実体験と知識をもとに、グレネリー・エステートリザーブ・レッドの味わいの秘密や、絶対に失敗しないヴィンテージの選び方、そして日本の食卓で最大限に楽しむためのペアリングまでを徹底解説します。これを読めば、あなたが次に買うべきワインが確信に変わるはずです。

記事のポイント
  • 18世紀のボルドーを再現した独自のブレンド秘密がわかる
  • リアルな口コミや専門家評価から本当の実力がわかる
  • ヴィンテージごとの特徴と今飲むべき当たり年がわかる
  • ステーキだけでなく日本のすき焼きにも合う理由がわかる
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おすすめする人おすすめしない人
・3,000円台で「ボルドー格付け級」の高級感と余韻を楽しめる。
・シラー特有のスパイス感があり、和食(すき焼き・鰻)とも好相性。
・今すぐ飲んでもおいしいが、セラーで10年育てられる本格派。
・しっかりした渋みと酸があるため、「甘く軽いワイン」好きには合わない。
・本領発揮まで時間がかかるため、抜栓後すぐにガブガブ飲むのには向かない。
・「1,000円以下の安旨ワイン」を探している場合には予算オーバーになる。
目次

グレネリー・エステートリザーブ・レッドの評価と特徴

グレネリー・エステートリザーブ・レッドの評価と特徴
画像:実際にテイスティングしたグレネリーエステートリザーブ・レッド 2016

まずは、なぜこの「グレネリー・エステートリザーブ・レッド」が世界中のワイン愛好家やプロフェッショナルから熱烈な支持を受けているのか、その背景にある壮大な物語と、ワインそのものが持つ実力について深掘りしていきましょう。

ソムリエの評価は?【総合評価4.5点(5.0点満点)】

ソムリエの評価は?【総合評価4.5点(5.0点満点)】

実際に私がテイスティングを行い、プロの基準で厳しくチェックした評価を見ていきましょう。

「3,000円台のワイン」というフィルターを外して、純粋にワインとしてのクオリティを8つの項目で採点しました。結果として、この価格帯ではめったに出ない高得点となっています。

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項目評価点数コメント
Body
(ボディ)
4.5点パワーとエレガンスを兼ね備えた、芯のあるフルボディ。重厚だが重すぎない絶妙なバランスです。
Sweetness
(甘味)
3.5点ベタつく甘さは皆無。完熟したカシスやブラックベリー由来の自然な果実の甘みと、ドライなキレがあります。
Acidity
(酸味)
4.0点長期熟成を支える美しい酸が存在します。この酸が食事の脂を切り、飲み飽きさせません。
Tannin
(タンニン)
4.5点非常に緻密で豊富なタンニン量。若いうちは堅牢ですが、デキャンタージュでベルベットのように化けます。
Alcohol
(アルコール感)
4.0点14.5%前後のボリューム感はありますが、酸と果実味のバランスが良く、アタックは滑らかです。
Complexity
(複雑さ)
5.0点ボルドー2級のDNAを感じる、スパイス、杉、腐葉土の多層的なレイヤー。3,000円台では破格の複雑性です。
Aroma
(香りの強さ)
4.5点抜栓直後から広がるカシス、黒胡椒、西洋杉の芳醇な香り。グラスの中で刻々と変化し飽きさせません。
Finish
(余韻の長さ)
4.5点シラー由来のスパイス感と、塩味を感じるミネラル感が長く続きます。飲んだ後の満足感が非常に高いです。
独自評価基準により点数化

18世紀クラレットの再現と味わい

18世紀クラレットの再現と味わい
画像:ワインノオト・イメージ

このワインを語る上で絶対に避けて通れない、そして最大の魅力とも言えるのが、「18世紀のクラレット(ボルドーワイン)の再現」という非常にユニークなコンセプトです。「クラレット」とは、イギリスにおけるボルドー赤ワインの伝統的な呼び名ですが、現代のボルドーワインとは決定的に異なる「秘密」が隠されています。

現在のフランス・ボルドーでは、AOC法(原産地呼称統制)という厳格な法律により、使用できるブドウ品種が決められています。主にカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フランなどが使われますが、実は法律が整備される以前、18世紀から19世紀にかけてのボルドーでは、ある驚くべきブレンドが公然の秘密として行われていました。それが、「ボルドーの赤ワインに、北ローヌ産のシラー(エルミタージュ)をブレンドする」という手法です。

当時のボルドー、特にメドック地区は現在よりも気候が冷涼で、カベルネ・ソーヴィニヨンが毎年十分に熟すとは限りませんでした。色が薄く、ボディが軽いワインに、地中海の太陽を浴びて完熟した力強いシラーをブレンドすることで、色調の深み、アルコールのボリューム、そしてスパイシーな骨格を補っていたのです。この行為は当時「Hermitagé(エルミタージュ化)」と呼ばれ、シャトー・ラフィットのようなトップシャトーですら行っていたという記録が残っています。

ここがポイント!

現代のボルドーでは法律で禁止されてしまったこの「黄金比率」を、規制の縛りがない南アフリカ・ステレンボッシュの地で、あえて現代技術を用いて完璧に蘇らせたのが、このグレネリー・エステートリザーブ・レッドなのです。

実際にグラスに注いで味わってみると、そのコンセプトの意味がはっきりと分かります。カベルネ・ソーヴィニヨン由来の「カシス」「ブラックベリー」「杉」といったボルドーらしい端正な骨格の中に、シラー由来の「黒胡椒のようなピリッとしたスパイス感」や「ベルベットのような滑らかな質感」が絶妙に溶け込んでいます。シラーが加わることで、カベルネ単体では表現しきれない「肉付きの良さ」や「親しみやすさ」が生まれ、しかし全体としては驚くほどエレガントにまとまっている。これが、ただのボルドーコピーではない、グレネリーならではの複雑さと魅力につながっているのです。

ピション・ラランドの系譜と生産者

ピション・ラランドの系譜と生産者
画像:ワインノオト・イメージ

「3,000円台で買えるワインとは思えない」と評されるグレネリー・エステートリザーブ・レッドの品質。その根底にあるのは、創設者の並外れた経歴と情熱です。

このワイナリーを立ち上げたのは、ワイン界における生ける伝説、メイ・ド・ランクザン夫人(May de Lencquesaing)です。彼女の名前を聞いてピンとくる方はかなりのワイン通かもしれません。彼女は、フランス・ボルドーのポイヤック村にある格付け第2級の超名門シャトー、「シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド(Château Pichon Longueville Comtesse de Lalande)」のオーナーとして、30年以上にわたり君臨してきた人物です。

「ピション・ラランド」といえば、ポイヤックの中でも特に華やかでエレガントなスタイルで知られ、「ポイヤックの貴婦人」と称されるスーパーセカンド(1級に匹敵する2級シャトー)。そんな世界最高峰のワイン造りを極めた彼女が、2003年、なんと80歳近い年齢になってから「新たな冒険」として選んだ土地が、南アフリカのステレンボッシュでした。普通なら引退して余生を楽しむ年齢で、異国の地でゼロからワイナリーを始めるなんて、常人には考えられないバイタリティですよね。

彼女が目指したのは、単に南アフリカでワインを造ることではなく、「South African wines with a French touch(フランスのタッチを持つ南アフリカワイン)」を世界に送り出すことでした。

「フレンチ・タッチ」とは?

南アフリカの強烈な日差しが生み出す果実の「パワー」と、ボルドーで培ったブレンド技術や栽培哲学による「エレガンス(フィネス)」を融合させること。これがグレネリーの揺るぎない哲学です。

彼女が選んだシモンズバーグ山の斜面は、花崗岩土壌と粘土質土壌が混ざり合い、保水力と水はけのバランスが優れた、まさにボルドー品種にうってつけのテロワール。エステートのロゴには、アフリカを象徴する「サイ(Rhino)」に乗った「貴婦人(May夫人)」が描かれていますが、これはまさにアフリカの大地とフランスの洗練の融合を象徴しています。エステートリザーブ・レッドには、300年以上の歴史を持つボルドーのノウハウと、彼女の不屈の魂が惜しみなく注ぎ込まれています。

リアルな口コミから見る評判の真実

いくら歴史や生産者が素晴らしくても、実際に飲んだ時の満足度が低ければ意味がありません。ここでは、SNSで見られるリアルな口コミを紹介します。

専門家の評価とティム・アトキン

専門家の評価とティム・アトキン
画像:ワインノオト・イメージ

個人の主観だけでなく、客観的な「スコア」もワイン選びの重要な指標になります。南アフリカワインの評価において、世界で最も影響力があると言われるのが、英国のマスター・オブ・ワイン、ティム・アトキン氏(Tim Atkin MW)による「南アフリカワイン・スペシャルレポート」です。

グレネリー・エステートリザーブ・レッドは、このレポートにおいて常連の高評価獲得ワインです。例えば、市場に多く出回っている2016年や2017年といったヴィンテージでは、軒並み90点台前半(93点〜94点など)というハイスコアを叩き出しています。ワインの点数に馴染みがない方のために補足すると、通常80点台後半で「優良なワイン」、90点を超えれば「卓越したワイン(Outstanding)」と見なされます。数万円、時には数十万円する高級ワインがひしめく中で、実売3,000円クラスのワインが93点や94点を獲得するのは、異常事態と言っても過言ではありません。

また、南アフリカ国内の権威あるガイドブック「プラッターズ・ワインガイド(Platter’s Wine Guide)」でも、5つ星満点中4.5星(Outstanding)〜5つ星(Superlative)を頻繁に獲得しています。専門家のコメントでは、しばしば「Old school claret(古き良きクラレット)」という表現が使われます。これは、過度に濃縮された現代的な「パーカーポイント狙い」のワインではなく、食事と共に楽しむための、節度と品格を持ったクラシックスタイルであることを称賛しています。

このように、国内外のプロフェッショナルからのお墨付きを得ているため、自分用にはもちろん、ワイン通の方へのプレゼントとしても自信を持って選べる1本です。

(出典:グレネリー公式サイト

レディ・メイとの違いや種類を比較

レディ・メイとの違いや種類を比較
画像:実際にテイスティングしたレディ・メイ 2012

グレネリーのワインを探していると、エステートリザーブ・レッドの他に、「レディ・メイ(Lady May)」や「グラス・コレクション(Glass Collection)」という名前を目にすることがあります。特にフラッグシップである「レディ・メイ」との違いは、購入時によく迷うポイントです。ここで明確に整理しておきましょう。

グレネリー レディ・メイ ラベル裏
画像:実際にテイスティングしたレディ・メイ 2012のエチケット裏
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項目グラス・コレクション
(Glass Collection)
エステートリザーブ・レッド
(Estate Reserve Red)
レディ・メイ
(Lady May)
位置づけエントリー〜ミドル
(日常の食事と共に)
旗艦ワイン(シグネチャー)
(週末のディナー、ギフト)
最高級アイコンワイン
(特別な記念日、熟成用)
価格目安1,000円台後半〜約2,800円〜3,500円約6,000円〜8,000円
主な品種単一品種
(カベルネのみ、シラーのみ等)
ブレンド
(カベルネ主体 + シラー)
カベルネ主体
(ほぼ純粋なボルドーブレンド)
熟成期間12ヶ月18ヶ月24ヶ月
スタイルフレッシュで果実味重視。
品種の個性が分かりやすい。
スパイシーで複雑。
パワーとエレガンスの融合。
圧倒的な凝縮感と深み。
長期熟成向きの堅牢な構造。

最大の違いはやはり「ブレンドにおけるシラーの有無」です。

  • エステートリザーブ・レッド:シラーがブレンドされており、18世紀のボルドースタイルを表現。スパイシーで少し野性味があり、飲み頃の幅が広いです。
  • レディ・メイ:シラーを含まない、カベルネ・ソーヴィニヨン主体の正統派ボルドースタイル(ポイヤックスタイル)。メイ夫人の最高傑作であり、非常に長熟です。

初めてグレネリーを体験するなら、ワイナリーのコンセプトが最も色濃く反映されている「エステートリザーブ・レッド」から入るのが間違いありません。そこでファンになったら、特別な日のために「レディ・メイ」をセラーに寝かせておく、というのが最高の楽しみ方ですね。

グレネリー・エステートリザーブ・レッドの飲み頃と買い方

グレネリー・エステートリザーブ・レッドの飲み頃と買い方
画像:実際にテイスティングしたグレネリーエステートリザーブ・レッド 2016のラベル裏

ここからは、実際にこのワインを手に入れた後、どのヴィンテージを選び、どのように扱えば最もおいしく飲めるのか、ソムリエ直伝の実践的なテクニックをお伝えします。

当たり年はいつ?ヴィンテージ情報

当たり年はいつ?ヴィンテージ情報
画像:実際にテイスティングしたグレネリー エステートリザーブ・レッド 2016

ワインは農産物ですから、収穫された年(ヴィンテージ)の気候によって、味わいのキャラクターや品質が変化します。特に南アフリカのステレンボッシュでは、干ばつの影響を受けた年や、冷涼だった年など、ヴィンテージごとの個性が明確です。現在市場でよく見かける主要なヴィンテージについて解説します。

2016年:凝縮感と果実味の年(干ばつ・暖候)

2016年は深刻な干ばつの影響を受けた年ですが、これはワイン造りにおいては必ずしも悪いことではありません。水分不足によりブドウの粒が小さくなり、その分、旨味や成分がギュッと凝縮されました。この年はメルローの比率が比較的高く(約21%)、カベルネの硬さが和らげられています。結果として、プラムやチェリーのようなリッチな果実味が前面に出ており、今すぐに抜栓しても十分に楽しめる、親しみやすいスタイルに仕上がっています。

2017年:クラシックな骨格のグレートヴィンテージ(乾燥・冷涼)

南アフリカワインの歴史の中でも、「世紀の当たり年」と評されることが多いのが2017年です。乾燥していましたが夜間は冷涼で、ブドウはゆっくりと理想的に完熟しました。この年はカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が約64%と高く、非常に骨格のしっかりした「ボルドー・ライク」なスタイルです。酸、タンニン、果実味のバランスが完璧で、今飲んでも素晴らしいですが、さらに5年、10年と熟成させることで真価を発揮するポテンシャルを持っています。

結論:
どちらも間違いなく「当たり年」ですが、フルーティーですぐにおいしいワインが好みなら2016年ボルドーらしい堅牢さと熟成感を楽しみたいなら2017年を選ぶのがおすすめです。

飲み頃温度とデキャンタージュ

飲み頃温度とデキャンタージュ
画像:ワインノオト・イメージ

どれだけ良いワインでも、飲む温度を間違えると台無しになってしまいます。グレネリー・エステートリザーブ・レッドのポテンシャルを最大限に引き出すための適温は「16℃〜18℃」です。

「赤ワインは常温で」という言葉をよく聞きますが、これはヨーロッパの石造りの家の室温(18℃程度)を指しています。日本の住宅、特に夏場で25℃を超えるような環境でそのまま飲むと、アルコール感がムワッと立ち上がり、締まりのない味になってしまいます。飲む30分〜1時間ほど前に冷蔵庫に入れて、ボトルを触った時に「少しひんやりしているかな?」と感じるくらいがベストです。グラスに注ぐと温度が少し上がるので、最初は少し冷え気味でも問題ありません。

デキャンタージュの魔法

もし抜栓して一口飲み、「香りが閉じている」「渋みが強すぎる」「少し古漬けのような匂い(還元臭)がする」と感じたら、迷わずデキャンタージュを行ってください。デキャンタがなければ、一度別の容器に移してからボトルに戻すだけでも効果があります。

空気に触れさせることで、シラーのスパイシーな香りが華やかに開き、硬かったタンニンが丸みを帯びてきます。特に若いヴィンテージ(収穫から5年以内)の場合、デキャンタージュから30分〜1時間後くらいに、劇的な変化=「ワインが開く」瞬間が訪れます。この変化を楽しむのも、ワイン愛好家の醍醐味ですよ。

合わせる料理はステーキやすき焼き

合わせる料理はステーキやすき焼き
画像:ワインノオト・イメージ

「どんな料理に合わせたらいいですか?」と聞かれたら、私はまず間違いなく「しっかりとしたお肉料理」と答えます。

このワインは「Hearty meals(心のこもった、ボリュームのある食事)」のために作られています。王道はやはり、脂の乗ったビーフステーキ(リブアイやサーロイン)や、香草を効かせたラムチョップのグリルです。ワインの豊富なタンニンが肉の脂をきれいに流し、果実味が肉の旨味を引き立てる、教科書通りのマリアージュが楽しめます。

しかし、日本の食卓でぜひ試していただきたい、意外かつ最高のマリアージュがあります。それが「すき焼き(特に関西風)」「鰻の蒲焼」です。

なぜ和食に合うのか?

  • すき焼き: 砂糖と醤油を使った甘辛い「割り下」のコクと、牛肉の脂の甘みが、グレネリーの凝縮した果実味と完璧にリンクします。ワインの酸味が口の中をリフレッシュさせ、次のひと口を誘います。
  • 鰻の蒲焼: 鰻のタレの焦げた香ばしさは、ワインの樽熟成由来のトースト香と同調します。そして何より、鰻にかける「山椒」の役割を、ワインに含まれるシラーの「スパイシーさ」が果たしてくれるのです。これは本当に驚きの体験です。
  • 焼き鳥(タレ・レバー): レバーの鉄分や血のニュアンスは、ワインのミネラル感や野性味と合います。

繊細な白身魚の刺身などは避けたほうが無難ですが、醤油や味噌、タレを使った色の濃い和食とは、驚くほど親和性が高いワインです。

価格と最安値の販売店をチェック

価格と最安値の販売店をチェック
画像:価格と最安値の販売店をチェック

最後に、お財布事情について。現在の日本市場におけるグレネリー・エステートリザーブ・レッドの実勢価格は、ショップにもよりますが3,000円前後〜3,500円程度で推移しています。

もし、これと同じクオリティ(90点台前半、18ヶ月樽熟成、元2級シャトーオーナー監修)のワインを本家ボルドーで探そうと思ったら、おそらく7,000円〜10,000円、あるいはそれ以上の出費を覚悟しなければなりません。そう考えると、3,000円台というのは破格中の破格、「安旨」という言葉では失礼なほどのコストパフォーマンスです。

購入先としては、温度管理が徹底されているワイン専門店での購入が安心ですが、楽天市場やAmazonなどの主要なECサイトでも、信頼できるショップ(例:輸入元のマスダと取引のある専門店など)であれば問題なく入手可能です。

特に楽天のお買い物マラソンやスーパーセールの時期を狙うと、ポイント還元を含めて実質2,000円台後半で購入できるチャンスもあります。人気ヴィンテージは売り切れることも早いので、見つけたら数本まとめて確保しておくことを強くおすすめします。

グレネリー・エステートリザーブ・レッドの総括

ここまで、南アフリカの至宝「グレネリー・エステートリザーブ・レッド」について、その歴史、味わい、楽しみ方を徹底的に解説してきました。

このワインは、単に「安くておいしいワイン」だけではありません。ボルドーの貴婦人が80歳にして挑んだ夢、18世紀のワイン造りへのオマージュ、そして南アフリカのテロワールの可能性が詰まった、飲むことで歴史と情熱に触れられる物語のある1本です。

週末の夜、お気に入りのグラスを用意して、スーパーで買ったちょっと良いステーキ肉やすき焼き用の牛肉と共に、このワインを開けてみてください。一口飲めば、ステレンボッシュの雄大な自然と、ボルドーの洗練された空気が、あなたの食卓に広がることでしょう。3,000円で体験できる世界最高峰の美学、ぜひ一度味わってみてください。きっと、あなたのワインライフにおける「定番」の1本になるはずです。

他にも、コスパの優れたワインをお探しの方は、以下の記事も参考にしてみてください。

*20歳未満の飲酒は禁止されています

グレネリー・エステートリザーブ・レッドをプロが評価

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