こんにちは。ワインノオト運営者で、現役ソムリエのまさです。
ワインを飲み始めた方は、白ワインや赤ワインでグラスを使い分けるべきか迷うことがありますよね。種類が多すぎて何を選べばいいのか分からない、あるいは専用のグラスなんて本当に必要なのか、そもそも白ワインと赤ワインのグラスってどう違うのかと疑問に思う方も多いでしょう。
実は、グラスの形状一つでワインの香りと味わいは劇的に変わります。

- 日本ソムリエ協会認定の現役ソムリエ
- 現役バーテンダーでもあるお酒のプロ
- 家飲みでいかにワインをおいしく楽しむか探求中
- 夫婦そろってソムリエなので、記事情報の正確さには自信あり
この記事では、なぜ形が重要なのかという理由から、初心者の方でも失敗しない選び方や代用テクニックまで、分かりやすく解説します。
- 白ワインと赤ワインのグラスが違う決定的な理由が分かります
- 形状の違いが味と香りにどう影響するのか理解できます
- 初心者におすすめの万能型グラスと憧れのブランドを知れます
- 割れにくい洗い方と正しい収納方法が身につきます
白ワインと赤ワインのグラスの違いを徹底解剖

「グラスなんて何でも一緒じゃないの?」と思うかもしれませんが、実は白ワインと赤ワインのグラスの違いは、単なる見た目の問題ではありません。ワインが持つポテンシャルを最大限に引き出すための、科学的な理由があるのです。
温度管理が決めるグラスのサイズと容量

白ワイン用グラスと赤ワイン用グラスを並べてみたとき、最も分かりやすく、かつ決定的な違いとして目に入るのがその「サイズ感」です。
一般的に、白ワイン用のグラスは全体的に小ぶりに作られており、対照的に赤ワイン用のグラスは大ぶりで容量もたっぷりとあります。このサイズの違いは、単なるデザインの好みではなく、それぞれのワインが最もおいしく感じられる「提供温度」をコントロールするために計算された必然的な結果なのです。
まず白ワインについて考えてみましょう。多くの白ワイン、特にソーヴィニヨン・ブランやピノ・グリージョといった品種は、キリッとした酸味やフレッシュな果実味が命です。これらの要素は、温度が上がるとぼやけてしまい、締まりのない味になってしまう傾向があります。
そのため、白ワインは一般的に6℃〜12℃という低い温度帯で提供されるのが基本です。ここで重要になるのがグラスのサイズです。もし大容量のグラスに少量の冷えた白ワインを注ぐと、周囲の室温の影響を受けやすく、すぐにぬるくなってしまいます。逆に、なみなみと注げば飲み切るまでに時間がかかり、やはり最後は適温を超えてしまいます。
白ワイン用グラスが小ぶりである理由は、「冷たいうちに飲み切れる量」を常にキープするためです。こまめに継ぎ足すことで、常に適温のフレッシュな状態を舌に届けることができるのです。
また、物理的な観点からも、グラスの表面積が小さいということは、外気からの熱伝導を最小限に抑える効果があります。私がレストランでサービスをする際も、白ワインは一度に注ぐ量を少なめにし、お客様のグラスが空になる少し手前で、冷えたボトルから継ぎ足すように心がけています。これも全て温度管理のためなのです。
白ワイングラスが小さいのは、冷えたおいしい状態をキープするためです。適温を逃さないための「保温装置」のような役割を果たしていると言えます。
一方、赤ワインはどうでしょうか。
赤ワイン、特にカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロといった重厚なタイプは、14℃〜18℃程度の常温に近い温度で楽しまれることが一般的です。この温度帯では、白ワインほど厳密な冷たさを維持する必要がありません。むしろ、少し温度が上がることで香りの成分が揮発しやすくなり、複雑なブーケが開くのを助ける側面すらあります。
そのため、温度上昇を防ぐためのコンパクトさよりも、香りをダイナミックに広げるための空間確保が優先され、あのような大きなボウル形状が採用されているのです。
酸化を促すボウル形状と空気接触の関係

ワインをグラスに注いだとき、ワインの液面がどれだけ空気に触れているか、という点もグラス選びにおいて極めて重要なファクターです。専門用語で「エアレーション(酸化)」と呼ばれるこの現象は、特に赤ワインの味わいを劇的に変化させる魔法のようなプロセスです。
赤ワインには、白ワインにはほとんど含まれない「タンニン」という渋み成分が豊富に含まれています。ブドウの皮や種に由来するこの成分は、ワインに骨格と保存性を与える重要な要素ですが、抜栓直後の若い赤ワインなどでは、このタンニンが攻撃的で、口の中がギシギシするような不快な渋みとして感じられることがあります。
しかし、このタンニンには不思議な性質があり、空気中の酸素と触れ合うことで化学反応(酸化重合など)を起こし、角が取れてまろやかな味わいへと変化していくのです。
赤ワイン用グラスのボウル部分が大きく丸く膨らんでいるのは、この酸化を積極的に促すためです。液面を広く取ることで酸素との接触面積を最大化し、さらにグラスをくるくると回す「スワリング」という動作をしやすくしています。
皆さんも映画やレストランで、ワイングラスを回しているシーンを見たことがあると思いますが、あれは格好をつけているわけではありません。ワインを強制的に空気に触れさせ、眠っていた香りを呼び覚まし、渋みを和らげるための理にかなった儀式なのです。大きなグラスでスワリングすることで、閉じていた香りが一気に開き、グラスの中に充満します。
逆に、多くの白ワインにとって、過度な酸化はリスクになります。白ワインの魅力である柑橘系のフレッシュなアロマや繊細な酸は、酸化によって失われやすく、時間が経つとフラットで面白みのない味になってしまうことがあります。
そのため、白ワイン用のグラスは、ボウルの膨らみを抑え、空気との接触面積を適度に制限するような形状が好まれます。ただし、樽熟成された濃厚なシャルドネなどの一部の白ワインは、赤ワインと同じように空気接触によって蜂蜜やバターのような濃厚な香りが開くため、例外的に大ぶりのグラスで提供されることもあります。
このように、グラスの形状は「そのワインがどれだけの酸素を必要としているか」という問いへの答えでもあるのです。
ボルドー型とブルゴーニュ型の形状差

赤ワイン用グラスと一口に言っても、その形状は様々です。中でも世界的なスタンダードとして知られるのが「ボルドー型」と「ブルゴーニュ型」という2つの形状です。これらはフランスの二大銘醸地の名前を冠していますが、現在では産地に関わらず、それぞれのブドウ品種の個性に合わせた最適な「機能部品」として認識されています。
まず「ボルドー型」ですが、これはチューリップの花を少し縦に伸ばしたような、背の高い形状をしています。このグラスがターゲットとしているのは、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロといった、タンニンが豊富で骨格のしっかりしたフルボディの赤ワインです。
縦に長い形状は、鼻と液面との距離を適度に保つことで、アルコールの揮発感を和らげつつ、凝縮した果実の香りをストレートに鼻に届けます。また、飲み口のカーブが緩やかであるため、ワインは舌の中央から奥へとスムーズに流れていきます。
これにより、舌の奥で感じる苦味や渋みと、果実味のバランスが整い、力強いワインでも飲み疲れせずに楽しめるのです。
対する「ブルゴーニュ型」は、一見すると金魚鉢のような、ボウルの底が大きく丸く膨らんだ形状が特徴です。ターゲットはピノ・ノワールやネッビオーロといった、酸味が強く、香りが非常に華やかで繊細な赤ワインです。
この独特な形状の最大の目的は、「香りの爆発」と「捕捉」にあります。巨大なボウル表面積でワインを空気に触れさせ、揮発した香気成分を最大限に引き出します。そして、急激にすぼまった飲み口が、その香りをグラス内部に閉じ込める「蓋」の役割を果たします。
鼻をグラスに入れた瞬間、凝縮されたアロマが押し寄せ、実際の味わい以上に甘美な印象を与えてくれるのです。(出典:リーデル公式サイト「なぜグラスの形状が重要なのか」)
| 種類 | 形状の特徴 | 機能的メカニズム | 向いているワイン |
|---|---|---|---|
| ボルドー型 | 縦長でチューリップのような形 | ワインを舌の奥へ流し、渋みと果実味を調和させる | カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シラーなどの重厚な赤 |
| ブルゴーニュ型 | 金魚鉢のように丸く膨らんだ形 | 香りを内部に溜め込み、酸味を和らげて甘みを感じさせる | ピノ・ノワール、ガメイ、ネッビオーロなどの繊細な赤 |
この2つのグラスで同じワインを飲み比べてみると、驚くほど味が変わります。ボルドー型で飲むと酸味が際立って感じられたピノ・ノワールが、ブルゴーニュ型に移した途端、イチゴやチェリーのような甘い香りに包まれ、酸味が穏やかに感じられるようになるのです。
これは舌の「味覚地図」理論(舌の場所で味が違うという古い説)とは関係なく、液体の流れる速度や広がり方、そして何より「香り(レトロネーザルアロマ)」の感じ方が変わることによる、脳の知覚処理の違いだと言われています。
代用するなら厚いコップより薄いガラス

ここまで専用グラスの重要性を説いてきましたが、実際の生活では「洗い物が面倒」「収納場所がない」といった理由で、専用グラスを使えない場面もあるでしょう。そんなとき、家にあるコップで代用しても良いのでしょうか。
結論から言うと、マグカップや湯呑み、厚手のロックグラスなどは、ワインの味わいを著しく損なうためおすすめできません。
最大の敵は「飲み口(リム)の厚み」です。分厚い縁のコップでワインを飲むと、唇に触れた瞬間の異物感が強く、無意識のうちにワインを「吸い込む」ような飲み方になってしまいます。また、液体の流れがスムーズでなくなり、ドボッと口の中に入ってくるため、舌の上でワインを転がして味わうことが難しくなります。
さらに、陶器や色付きガラスではワインの美しい色合い(外観)が見えず、視覚からの情報が遮断されることで、おいしさの感動が半減してしまいます。
もし専用のワイングラス以外で代用するのであれば、「できるだけ薄手のガラス製タンブラー」を選んでください。形状がワイン用に最適化されていなくても、ガラスが薄ければ唇へのストレスが減り、ワインの温度やテクスチャーをダイレクトに感じることができます。
最近では、100円ショップでも「薄づくり」を謳ったグラスが販売されていますが、そういったものの方が、分厚い高級ブランドのロックグラスよりもワインには適しています。
ちょっと豆知識
最近のトレンドとして「脚なし(ステムレス)」のワイングラスも非常に人気です。これはボウル部分だけの形状をしており、倒れる心配が少なく、食洗機にも入れやすいというメリットがあります。
「リーデル・オー」シリーズなどが有名ですが、これなら普段はお水やお茶を飲むコップとして使いつつ、夜は本格的なワイングラスとして機能するため、ミニマリストの方にも最適な代用品(というか正解の一つ)と言えるでしょう。
また、とにかく安く済ませたい場合は、ワイングラスはダイソーでもいい?ソムリエが教えるコスパと選び方の記事も参考に、慎重に選んでみてください。
記事後半では、プロ目線でおすすめのワイングラスも紹介しています。
安いグラスとクリスタル素材の決定打

見た目は同じような透明なワイングラスでも、100円ショップで買えるものと、1脚数千円以上するブランドグラスとでは、何が違うのでしょうか。価格の差はブランド料だけではありません。最も大きな違いは、使われている「素材」そのものにあります。
安価なグラスの多くは「ソーダライムガラス(ソーダガラス)」という素材で作られています。これは窓ガラスや瓶と同じ素材で、硬くて丈夫ですが、透明度がやや低く、成形に厚みが必要になるという特徴があります。そのため、どうしても飲み口がぽってりと厚くなり、指で弾いても「ペチッ」という鈍い音しかしません。
一方、高級なワイングラスに使われるのは「クリスタルガラス(特に現在は無鉛クリスタル)」です。この素材は、強度がありながら弾力性に富んでいるため、極限まで薄く引き伸ばす加工が可能です。これにより、唇を切るかのような薄いリムや、針金のように細いステム(脚)を実現できるのです。
また、クリスタルガラスの表面には、目に見えないレベルの微細な凹凸が無数に存在しています。ワインを注いだとき、この凹凸が刺激となって香りの分子が揮発しやすくなり、ソーダガラスに比べて香りの立ち方が圧倒的に豊かになるのです。
さらに、クリスタルガラスは表面の平滑性が高いため、舌触りが非常に滑らかです。安価なグラスにあるような、成型時の継ぎ目(モールドライン)が口に触れることもありません。
「良いグラスで飲むとワインがおいしくなる」というのは、単なるプラセボ効果や気分の問題ではなく、素材の物理的特性がもたらす「香りの増幅」と「触覚のノイズ除去」による科学的な事実なのです。
私が初めて良いクリスタルグラスでいつものデイリーワインを飲んだ時、「今まで飲んでいたのは何だったんだ」と衝撃を受けたのを今でも覚えています。
白ワインと赤ワインのグラスの違いと選び方

ここまで、形状や素材によるメカニズムの違いについて詳しく解説してきました。理論を理解した上で、実際に私たちが家でワインを楽しむために、どのような手順でグラスを選べばよいのでしょうか。
結論からお伝えすると、「白ワインと赤ワイン、それぞれの専用グラスを揃えるのがベスト」です。
これから紹介する「万能型」は非常に便利ですが、あくまで「どちらも及第点で飲める」という妥協点を含んだ選択肢です。ワイン本来のポテンシャルを100%引き出し、感動的な体験をするためには、やはりそれぞれの特性に特化したグラスには敵いません。
それを踏まえた上で、まずは最初の一歩としての選び方を見ていきましょう。
万能型として使える兼用の形状とは

「とりあえず1脚だけ買って、白も赤もそれなりにおいしく飲みたい」という方におすすめなのが、いわゆる「万能型(ユニバーサルタイプ)」と呼ばれる形状です。具体的には、ボルドー型を一回り小さくしたような卵型や、緩やかなカーブを描くチューリップ型がこれに当たります。
この中くらいのサイズのグラスは、絶妙なバランスで設計されています。ボウル部分は適度な大きさがあるため、軽めの赤ワインやミディアムボディの赤ワインなら、スワリングして十分に香りを開かせることができます。
一方で、大きすぎないため、白ワインを注いでも香りが拡散しすぎず、温度が上がる前に飲み切ることも可能です。さらに、近年ではシャンパーニュやスパークリングワインも、細長いフルートグラスではなく、この万能型グラスで飲むことがトレンドになっています。
シャンパングラスとワイングラスの違いは?プロが教える選び方の新常識の記事でも詳しく解説していますが、香りを重視するなら万能型は賢い選択です。
しかし、「万能型=最強」ではありません。重厚なフルボディの赤ワインを飲むにはボウルが小さすぎて香りが開ききらず、逆に繊細な高級白ワインを飲むには大きすぎて温度が上がりやすいという弱点もあります。
「家飲みの9割はカバーできる」と言われますが、残りの1割にある「最高の体験」は、専用グラスでしか味わえないことを覚えておいてください。
初心者におすすめのリーデル「ヴィノム」

「まずは万能型から始めて、ワインの楽しさを知りたい」という方には、迷わずリーデル(RIEDEL)の「ヴィノム(Vinum)」シリーズをおすすめします。中でも「キアンティ・クラッシコ/リースリング・グラン・クリュ」というモデルは、世界中のワイン愛好家やプロフェッショナルが認める「世界最高の万能グラス」の一つです。
リーデル社は、オーストリアの名門グラスメーカーであり、「飲み物の個性がグラス形状を決定する」という理念のもと、ブドウ品種ごとに最適な形状を開発したパイオニアです。この「ヴィノム」シリーズは、マシンメイドでありながらハンドメイドに匹敵する機能性を持ち、価格と性能のバランスが抜群です。
このグラスは、初心者にとっての「標準原器」となります。まずはこの万能型でワインを楽しみ、もし「赤ワインをもっと深く味わいたい」「白ワインの香りを突き詰めたい」と感じたら、それぞれの専用グラスを買い足していくのが、最も無駄のないステップアップの方法です。
リーデルのワイングラスのおすすめはヴィノム!プロが選ぶ理由と魅力の記事でも深掘りしていますが、多くの高級レストランでもスタンダードとして採用されているため、これを使えば自宅の食卓が一気にレストランの雰囲気に変わります。
迷ったら「リーデル」のヴィノムを選べば間違いありません。ただし、これは「入り口」です。ワインの奥深さにハマったら、ぜひ専用グラスへのアップグレードを検討してください。
ワインに慣れたら木村硝子店の極薄グラスへ

万能型での体験を経て、さらに「もっと繊細な味わいを感じたい」「もっと特別な体験がしたい」と思うようになったら、次のステップとしてぜひ木村硝子店のグラスを手に取ってみてください。
ワイングラスは木村硝子!|サヴァ、ピッコロの違いとおすすめの選び方の記事でも熱く語っていますが、特に「ピッコロ」や「サヴァ」といったシリーズの極薄グラスは、衝撃的な体験をもたらします。
その最大の特徴は、ガラスの存在を忘れるほどの「薄さ」にあります。一般的な高級グラスのリム厚が1mm以下と言われる中、木村硝子店のハンドメイド(あるいは極薄マシンメイド)グラスは、さらにその半分以下の薄さを実現しているものもあります。
唇に触れた瞬間、ガラスの異物感が全くなく、まるでワインの液体そのものが空中に浮いていて、直接口の中に流れ込んでくるような感覚を覚えます。
この極薄の飲み口は、ワインの流速を妨げず、非常にスムーズな流れを作ります。特に繊細な日本ワインや、熟成したブルゴーニュワインなどを飲む際、その微細なニュアンスを一切逃さずに拾い上げることができます。もちろん、非常に薄いため、少しの不注意で割れてしまうリスクは高まります。洗う時の緊張感も段違いです。
しかし、その儚さと背中合わせにある美しさと、極上の口当たりは、一度体験すると他の厚いグラスには戻れない魔力があります。ワイン愛好家が行き着く一つの到達点とも言えるでしょう。
割らない洗い方と収納の基本ルール

良いグラスを手に入れたら、次に重要なのがメンテナンスです。「高かったのに、洗っている時に割ってしまった…」という悲劇は、ワイン好きなら誰もが一度は通る道ですが、正しい扱い方を知っていれば防ぐことができます。
ワイングラスを割ってしまう原因の第1位は、実は使用中の落下などではなく、「洗浄中の力の掛け方」にあります。
絶対にやってはいけないこと:ねじり洗い
最も危険なのが、片手で台座(プレート)や脚(ステム)を持ち、もう片方の手でスポンジをボウルに突っ込んで、キュッキュッと回しながら洗うことです。この動作をすると、テコの原理でステムの付け根に強烈な「ひねる力(トルク)」がかかり、いとも簡単にパキッと折れてしまいます。
正しい洗い方は、「洗っている部分を持つ」ことです。ボウルの中を洗う時は、必ずボウルそのものを、手で包み込むように優しくホールドしてください。ステムを洗う時はステムを持ち、台座を洗う時は台座を持ちます。
洗剤は極力少なめにし、45℃くらいのぬるま湯で優しく洗うのがベストです。油汚れがなければ、お湯だけでの洗浄(湯洗い)でも十分綺麗になりますし、洗剤の匂いが残るリスクも減らせます。
拭き上げの際は、大判のリネンやマイクロファイバークロスを2枚用意し、両手に持ってグラスに直接手が触れないように磨き上げると、指紋がつかずピカピカになります。
そして収納についてですが、以前は埃が入らないよう逆さま(伏せ置き)にするのが良しとされていました。しかし、密閉された食器棚で長期間逆さまにしておくと、棚板の塗料や木の匂いがグラスの中に充満してしまう「カップボード臭」の原因になります。
また、繊細なグラスの場合、自重でリムに負担がかかることもあります。ですので、現在は飲み口を上に向けた状態(正立)で保管し、使う直前にお水でサッと流して埃を取るスタイルが推奨されています。
白ワインと赤ワインのグラスの違いまとめ

今回は、白ワインと赤ワインのグラスの違いや、形状がもたらす味への影響、そして具体的な選び方について徹底的に解説してきました。長くなりましたので、最後に重要なポイントを振り返ってみましょう。
- 白ワイン用グラスは「冷たさを保つため」に小さく、赤ワイン用は「酸化させて香りを開くため」に大きく作られている。
- ベストな選択は、それぞれの特性に合わせた専用グラスを使い分けること。
- 最初の1脚として選ぶなら「万能型」が便利だが、あくまで「兼用」であり最強ではないと知っておくこと。
- グラスを割らないための鉄則は「ねじり洗い禁止」。必ずボウル部分を持って優しく洗うこと。
「たかがグラス、されどグラス」。グラスを変えることは、新しいワインを買うことと同じくらい、あるいはそれ以上にワインライフを豊かにしてくれます。高級ワインを紙コップで飲むよりも、手頃なワインを最高のグラスで飲む方が、満足度は高いかもしれません。
ぜひ、この記事をきっかけにお気に入りのグラスを見つけて、ワインペアリングの完全ガイド|簡単にできるマッチングの楽しみ方も解説の記事も参考にしながら、いつもの家飲みを特別なレストランのような時間に変えてみてくださいね。
あなたのワインライフがより素晴らしいものになることを願っています。
