海底熟成ワインはまずい?プロが味を評価!真実と最高の選び方を解説

海底熟成ワイン

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「海底熟成ワインはまずい」という噂を耳にして、購入するのをためらってはいませんか?値段も決して安くはなく、SNSの口コミ・レビューのリアルな声を探しても、その評判は様々です。本当に心からおいしいと感じられるのか、気になりますよね。

そもそも、ワインを海底熟成するとどんな効果があるのでしょうか。伝統的なセラーで寝かせる一般的な熟成と一体何が違うのか、あるいは「海底で熟成させるなんて意味ないのでは?」という根本的な疑問も尽きないかもしれません。

また、海底熟成ワインの味はどうかという以前に、ボトルが汚いのでは?という衛生面での心配もあるでしょう。しかし、それは見方を変えれば、悠久の時を経て自然が創り出した、世界に一つだけの芸術作品としての価値があるとも言えるのです。

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  • 日本ソムリエ協会認定の現役ソムリエ
  • 現役バーテンダーでもあるお酒のプロ
  • 家飲みでいかにワインをおいしく楽しむか探求中
  • 独自に評価基準を設定しプロ目線でワインを評価

この記事では、こうした数々の疑問に対し、ソムリエとしてプロ評価はどうなのかという専門的な視点から、その味わいの変化を徹底的に解説します。さらに、プレゼントにおすすめの「サブリナ」や伊豆で作られる「voyage」といったおすすめの銘柄の魅力も紹介します。

海底熟成酒はどんなお酒があるのか、ウイスキーや焼酎といった他のジャンルにも触れながら、あなたが抱える「海底熟成ワインはまずいのか?」という漠然とした不安を確信へと変え、その真の価値と楽しみ方をお伝えします。

記事のポイント
  • 「まずい」という噂がなぜ存在するのか、その真相がわかる
  • 海底熟成と陸上熟成が生み出す味わいの明確な違いを理解できる
  • ソムリエがどのような視点で海底熟成ワインを評価しているかがわかる
  • 特別な日のための、失敗しない贈り物としての選び方が身につく
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おすすめする人おすすめしない人
・「海の底で熟成」という物語性があり、特別な贈り物として最適。
・渋みが驚くほど滑らかになり、ワインが苦手な人でも飲みやすい。
・ボトル自体が自然のアート作品となり、記念品としても価値がある。
・特殊な手間がかかるため価格が高く、日常的には楽しめない。
・味わいの変化は繊細であり、期待が大きすぎると物足りなく感じる。
・希少性が高く、一般的な酒店では購入できない。

\1.6万人に選ばれたワイン/

目次

「海底熟成ワインはまずい」の噂を徹底解剖

「海底熟成ワインはまずい」の噂を徹底解剖
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  • 海底熟成ワインの味は本当にまずい?
  • 海底熟成は意味ない?その効果を解説
  • 一般的な熟成と一体何が違うのかを比較
  • SNSの評判や口コミ・レビューの声
  • ボトルは汚い?芸術作品としての価値がある

海底熟成ワインの味は本当にまずい?

海底熟成ワインの味は本当にまずい?
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結論から言えば、適切な環境で丁寧に管理された本物の海底熟成ワインは、「まずい」どころか非常に美味しく、地上熟成では到達し得ない滑らかで深みのある特別な味わいを持っています。では、なぜ一部でネガティブな噂が立ってしまうのでしょうか。それには、看過できない2つの大きな理由が存在します。

理由1:模倣品や品質の低いワインの存在

第一に、元のワインの品質が低い、あるいは管理体制がずさんな「模倣品」が出回っている可能性です。海底熟成はワインに魔法をかけるわけではありません。あくまで、ワインが本来持つポテンシャルを引き出し、円熟させるための一つの手法です。

つまり、元となるワインが長期熟成に耐えられない品質であれば、いくら理想的な環境の海底で熟成させても、決して高級ワインの味わいにはならないのです。

残念ながら、話題性に便乗し、「海底で熟成させれば高く売れる」という安易な考えで、数千円程度のテーブルワインをそのまま海に沈め、高値で販売しているケースも存在します。

さらに深刻なのは、水温変化の激しい浅瀬や、水質の良くない港湾の近くなど、熟成に適さない環境で放置されたワインです。このようなワインを飲んでしまえば、「高いお金を払ったのにまずい」と感じるのは当然の結果と言えるでしょう。

理由2:過度な期待と現実のギャップ

第二の理由は、飲み手側の心理的な要因です。海底熟成ワインには「沈没船の宝物」「人魚の涙」といったロマンチックなイメージが先行しがちです。そのため、「まるで魔法のように、全く別物の素晴らしい味に劇的に変化するはずだ」と、無意識のうちに期待値を上げすぎてしまうことがあります。

確かに、海底熟成によって味わいはまろやかになり、複雑味が増すといった変化は起こります。しかし、その変化は専門家が「微妙だが明確な違い」と表現するように、非常に繊細なニュアンスの範囲に留まることが多いのです。

この期待と現実のギャップから、「あれ、思ったほどじゃないな…まずいわけではないけど…」という、一種の期待外れ感に繋がってしまうことがあります。

「まずい」ワインを避けるための購入時のチェックポイント

失敗を避けるためには、信頼できるブランドや正規販売店から購入することが最も重要です。以下の点を確認しましょう。

  • 公式サイトで熟成場所、期間、ベースとなるワインの情報が明確に公開されているか。
  • IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のような、第三者機関からの客観的な評価(受賞歴など)があるか。
  • 実績がある酒販店や百貨店、信頼性のあるネット販売で取り扱われているか(海底熟成ワインは主にネット販売)。

海底熟成は意味ない?その効果を解説

海底熟成は意味ない?その効果を解説
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「わざわざ海底で熟成させることに、本当に意味はあるのか?」という本質的な疑問。これに対する答えは、「科学的にも合理的で、明確な意味はある」です。海底は、ワインを最高の状態で熟成させる上で理想的な条件が奇跡的に揃った、いわば究極の天然ワインセラーと呼べる環境なのです。

ワインの品質を長期的に保ちながら熟成させるには、主に「温度」「光」「振動」「湿度」のコントロールが重要です。海底、特に水深のある場所では、これらの条件が人為的なコントロールを必要とせず、自然に保たれています。

実際に、陸上で保管したものと比較した研究では、海底で熟成させたワインにおいてアミノ酸や有機酸に特有の変化が見られ、これがアルコールの刺激を和らげ、味わいをまろやかにする一因ではないかと示唆されています。その全メカニズムは未だ研究段階ですが、味わいに良い変化が生まれることは、多くの専門家によって確認されています。

海底熟成がワインにもたらす3つの主な効果

  1. 年間を通して安定した低温環境
    水深15m~20mの海底は、季節を問わず水温が13℃~15℃前後と非常に安定しています。これは、高級ワインセラーが目指す理想の温度帯であり、ワインが熱によって劣化することなく、穏やかに熟成を進めるための絶対条件です。
  2. 品質を劣化させる光の完全な遮断
    ワインの劣化を招く最大の外的要因の一つが紫外線です。太陽光はもちろん、蛍光灯の光でさえ長期間浴びるとワインの風味を損ないます。水は光を吸収・散乱させるため、水深のある海底は太陽光が全く届かない「完全な暗闇」となり、ワインを光による劣化から完璧に守ります。
  3. 熟成を促す絶え間ない「微振動」
    陸上のセラーでは「静寂」が理想とされる一方、海中は波や潮流によってごく僅かな振動が絶えず存在します。この止まることのない「微振動」が、ワインの液体中の分子の均一な混ざり合い(ブラウン運動)を促進すると言われています。これにより、味わいの要素であるタンニンや酸、果実味などがより滑らかに統合され、調和の取れた口当たりを生み出すと考えられています。

このように、海底熟成は単なる話題作りやマーケティング手法ではなく、ワインの品質を科学的に向上させるための、極めて合理的な根拠に基づいた熟成方法なのです。

一般的な熟成と一体何が違うのかを比較

一般的な熟成と一体何が違うのかを比較
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海底熟成のユニークさをより深く理解するために、ワイナリーの地下セラーなどで行われる一般的な熟成との環境の違いを比較してみましょう。この環境の違いこそが、最終的なワインの味わいのキャラクターを決定づける要因となります。

以下の表は、それぞれの熟成環境の主な違いをまとめたものです。

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比較項目海底熟成一般的な熟成(セラー)
温度管理自然環境に依存。年間を通して13℃~15℃前後で極めて安定。人為的なコントロールは不要。高価な空調設備による管理が必要。季節や設備の性能によって僅かな温度変動が起こる可能性がある。
光の環境太陽光が全く届かず、「完全な暗闇」が自然に保たれる。基本的には暗所だが、照明の点灯や人の出入りなどで僅かな光に触れるリスクは常に存在する。
湿度常に100%。コルクの乾燥を完全に防ぎ、空気の侵入による酸化リスクを最小限に抑える理想的な環境。70%前後が理想とされ、高価な加湿・除湿設備による管理が必要になる場合がある。
振動波や潮流による、ごく僅かで規則的な「微振動」が絶えず加わり続ける。外部からの振動を遮断した「静寂」な環境が理想とされる。
味わいの変化(通説)タンニンや酸の角が取れ、驚くほどまろやかで滑らかな味わいになる。熟成が穏やかに加速するとも言われる。長い時間をかけてゆっくりと熟成し、複雑味やブーケ(熟成香)が徐々に現れる。
ボトルの外観ボトルにフジツボや石灰藻などが付着し、世界に一つだけの唯一無二のデザインになる。出荷時と変わらず、ラベルやボトルは綺麗な状態が保たれる。

この比較から分かる通り、最も本質的な違いはやはり「微振動」の有無です。陸上では徹底的に排除しようとする「振動」を、海底では逆に熟成を促進する要素として活用している点が、海底熟成の最大の特異性であり、魅力の根源と言えます。

このユニークな環境が、一般的な熟成では決して得られない、特別なキャラクターをワインに授けるのです。

SNSの評判や口コミ・レビューの声

実際に海底熟成ワインを購入し、体験した方々は、その味わいや価値をどのように感じているのでしょうか。ソーシャルメディア(SNS)などから、リアルな声を集めてみました。また、多くの人が気になるであろう評判についても解説します。

高評価のポイント:ギフトとしての圧倒的な満足度

SNS上で最も多く見られるのは、「プレゼントとして贈ったら、相手に非常に喜んでもらえた」という、ギフト用途での高い満足度を示す声です。その希少性や、「海の底で眠っていた」というロマンチックなストーリー性が、特別な贈り物としての価値を最大限に高めています。

味に関しても、「驚くほど角が取れていてまろやか」「普段飲むワインとは全く違う滑らかさ」「深みがあって美味しい」といったポジティブな感想が多数寄せられています。特に、普段あまりワインを飲まない方からも「これは美味しい」という声が上がっているのが印象的です。

「父の還暦祝いに贈りました。ボトルの見た目にまず驚き、そのストーリーと味わいに二度感動してくれました。最高のプレゼントになりました!」

「味が本当にまろやか。アルコールのツンとした感じが全くなくて、スルスル飲めてしまいます。結婚記念日に二人で飲むのにぴったりでした。」

低評価のポイント:価格と期待値のバランス

一方で、ネガティブな意見もゼロではありません。その多くが「値段の高さ」に関連するものです。海底へのワインの設置や引き揚げには、専門の知識と技術を持つプロのダイバーが必要であり、特殊な機材や船舶の費用もかかります。そのため、どうしてもコストが上乗せされ、販売価格は1本1万円台から、中には数万円するものも珍しくありません。

また、「期待していたほどの劇的な変化は感じられなかった」「この値段を出すなら、一般的なワインを買う」といった厳しい意見も見受けられます。これは、前述した「過度な期待」が、冷静な評価を難しくしている可能性も考えられます。

以下の口コミも、素直な購入の心境を感じ取れる内容です。

「味は悪くない、むしろ美味しい。でも、正直この値段に見合っているかと聞かれると少し考えてしまう…。話題性は抜群だと思います。」

「プレゼントでもらったら最高に嬉しいけど、自分で買うには少し勇気がいる価格ですね。」

これらの評判を総合すると、海底熟成ワインは「自分で日常的に飲む」というよりは、「特別な体験を贈る」ギフトとしての価値を高く評価している人が多い傾向にあります。値段が高いのは、手間やコスト、そして何よりも「海底で熟成させた」という、他では得られない唯一無二の付加価値があるからこそと言えるでしょう。

ボトルは汚い?芸術作品としての価値がある

ボトルは汚い?芸術作品としての価値がある
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「海底熟成ワインのボトルは、フジツボなどが付いていて汚いのではないか?」という懸念を抱く方もいらっしゃるかもしれません。確かに、長期間(多くは半年から1年以上)海中に置かれることで、ボトルにはフジツボ、貝殻、石灰藻といった様々な海洋生物が付着します。

これを単なる「汚れ」と捉えることも、もちろんできます。しかし、その見方を変えれば、これは地球と時間が創り出した、世界に一つとして同じものがない自然のアート作品です。

一つ一つのボトルが、異なる海の景色をその身にまとっており、悠久の時を静かな海底で過ごしてきた動かぬ証でもあります。この自然な装飾こそが海底熟成ワインの大きな魅力であり、プレゼントとして他に類を見ない感動を与えられる理由の一つなのです。

もちろん、ワインの品質や衛生面に影響は一切ありません。ボトルはコルクとワックスなどで厳重に密封されており、海水が中に侵入することは物理的にないように設計されています。信頼できるブランドでは、引き揚げ後、出荷前にボトル本体の汚れを丁寧に洗浄し、付着物だけを美しく乾燥させて残すという手間をかけています。

プレゼントにおすすめのワインは、ヴァイオレットセブンもおすすめです。詳しくは、»ヴァイオレット・セブンが人気の理由とは?ソムリエの評価と口コミも紹介の記事で魅力を解説しています。

海底の宝物を開ける、ちょっとした儀式

ボトルに付着したフジツボや貝殻は、乾燥しているため非常にもろくなっています。そのため、ワインを開封する際に、これらの小さな破片がポロポロとテーブルに落ちることがあります。

下にナプキンや紙などを一枚敷いておくと、後片付けがとてもスムーズです。この少しの手間も、深い海の底からやってきた宝物を開けるための、特別な儀式として楽しんでみてはいかがでしょうか。

「汚い」という第一印象は、その背景にある壮大なストーリーを知ることで、やがて「美しい」「何とも言えない趣がある」という深い感動に変わるはずです。あなたが手にする一本が、どのような海の記憶をまとっているのか。それを眺める時間もまた、海底熟成ワインならではの至福の楽しみ方の一つと言えるでしょう。


「海底熟成ワインはまずい」は誤解!プロのおすすめを紹介

「海底熟成ワインはまずい」は誤解!プロのおすすめを紹介
画像はイメージです
  • ソムリエの評価は?【総合評価4.0点(5.0点満点)】
  • プレゼントにおすすめの海底熟成ワイン2選
  • 人気の海底熟成ワイン「サブリナ」の魅力
  • 伊豆から届く海底熟成ワイン「voyage(ヴォヤージュ)」
  • 海底熟成酒はワインだけじゃない!ウイスキーや焼酎も商品化
  • 結論:「海底熟成ワインはまずい」なんてうそ!

ソムリエの評価は?【総合評価4.0点(5.0点満点)】

サブリナ ワイン 評価 チャート

日々、数多くのワインをテイスティングしてきたソムリエ目線で、このユニークな海底熟成ワインの味わいをどのように評価したのかを解説します。

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項目評価点数コメント
Body(ボディ)4.0点フルボディの厚みがありながらも、果実味が柔らかく飲み心地が良い。
Sweetness(甘味)4.0点熟した果実由来の自然な甘味が印象的で、ワイン全体のバランスを取っている。
Acidity(酸味)3.5点赤系果実の軽やかな酸味が心地よく、飲み飽きしない構成。
Tannin(タンニン)4.0点丸みのあるタンニンで、渋みは穏やか。心地よい重厚感を残す。
Alcohol(アルコール感)4.5点高めのアルコール度数ながら、熱さを感じず滑らかな口当たり。
Complexity(複雑さ)4.0点果実、ミネラル、スパイスの層が重なり、味わいに深みを与えている。
Aroma(香りの強さ)4.0点チェリーやスパイス、カカオの香りが広がり、華やかな印象。
Finish(余韻の長さ)3.5点果実とスパイスの余韻が30秒ほど続き、心地よく締めくくる。
独自評価基準により点数化

ソムリエが語る海底熟成の具体的な味わいの変化

海底熟成での変化を総合的に捉えると、海底で半年から1年熟成させたワインは、まるで陸上の完璧なセラーで数年間(ワインによっては3年~5年、あるいはそれ以上とも言われます)丁寧に熟成させたかのような、見事な落ち着きと調和、まとまりを帯びています。

若くてパワフルで、各要素がバラバラに自己主張していたワインが、海底での静かな時間を経て、見事に一つにまとまり、深みを増した姿へと変貌を遂げた、というイメージです。人の人生みたいですね。

1. タンニン(渋み)の質の劇的な変化

最も分かりやすく、多くの専門家が指摘するのが赤ワインの渋み成分であるタンニンの変化です。一般的な熟成の若いワインでは、タンニンが舌や歯茎に張り付くような、ザラつきのある強い渋み(アグレッシブなタンニン)を感じさせることがあります。

しかし、海底熟成を経ることでその硬い「角」が綺麗に取れ、驚くほどきめ細かく、まるで上質な絹(シルク)のように滑らかな舌触りに変わっています。

渋み自体が消えるわけではありませんが、攻撃性がなくなり、ワインの液体に美しく溶け込んだようなエレガントな印象です。

2. 酸味と果実味の美しい調和

ワインの骨格を形成し、フレッシュさの源となる酸味も、その印象を大きく変えます。

若いワインでは、豊かな果実味とシャープな酸味がそれぞれ別々に主張し合うことがあります。海底熟成を経ると、早くその酸味の尖った部分が丸みを帯び、豊かな果実味と見事に調和します。これにより、ワイン全体に素晴らしい一体感が生まれ、味わいのバランスが格段に向上したように感じられます。

3. アルコールの刺激(アタック)の緩和

特にアルコール度数が高いワインほど、この変化が分かりやすいかもしれません。

口に含んだ瞬間や喉を通る時に感じる、アルコール由来のピリッとした刺激や熱っぽさが、海底熟成によってかなり和らいでいるように感じます。これは、前述の有機酸の変化などが影響していると考えられ、全体として非常にスムースで、引っかかりのないシームレスな飲み心地を実現します。

4. 全体の印象:熟成が穏やかに「加速」したような感覚

これらの変化から、海底熟成は単にワインを保存するだけでなく、熟成のプロセスを穏やかに加速させる効果があると実感できます。ワインが持つポテンシャルがより早い段階で開花し、若々しさが洗練された落ち着きへと変わり、飲み頃が早く訪れるような印象です。

ソムリエの視点からも、海底熟成はワインに明確な良い影響を与える、極めて有効な熟成手法として高く評価できます。「まずい」という評価は、適切な条件下で造られた本物の海底熟成ワインには当てはまらない、と言って間違いないでしょう。

プレゼントにおすすめの海底熟成ワイン2選

プレゼントにおすすめの海底熟成ワイン2選

ここまでの解説で、海底熟成ワインが単なる珍しいだけのお酒ではなく、確かな品質と特別な価値を持つことがおわかりいただけたかと思います。その唯一無二のストーリー性、自然が作り出す美しいボトル、そして何より多くのソムリエも認めるおいしい味わいから、海底熟成ワインは記憶に残る体験を贈る、最高のプレゼントと言えます。

多くのブランドが贈答用を強く意識しており、高級感のある美しいギフトボックスや丁寧なラッピングが用意されているのも、贈り物として選びやすい嬉しいポイントです。普段の生活では決して目にすることがない珍しいワインだからこそ、受け取った方の驚きや喜びもひとしおでしょうね。

ここでは、日本国内で製造・販売され、品質が安定しており、プレゼントとして自信を持っておすすめできる2大ブランド「SUBRINA(サブリナ)」「VOYAGE(ヴォヤージ)」を、それぞれの魅力と共に詳しくご紹介します。

人気の海底熟成ワイン「サブリナ」の魅力

画像出典:SUBRINA(サブリナ)公式

「SUBRINA(サブリナ)」は、2011年に日本で初めて海底熟成ワインを事業化した、まさにこの分野のパイオニア的存在です。長年の経験とデータの蓄積があり、その品質の高さは折り紙付き。AmazonのテレビCMでその存在を知った方も多いのではないでしょうか。

AmazonのテレビCMをご覧になりたい方は「サブリナCM(15秒)」をクリックしてご視聴ください。フルバージョンは「サブリナCM (フルバージョン)」から動画を選択してください。フルバージョンがよりサブリナの魅力を感じられると思います。

サブリナの最大の魅力であり強みは、熟成させるワインそのものへの徹底したこだわりにあります。ブランド立ち上げ時、世界中から数十種類のワインを取り寄せて海底熟成のテストを重ねた結果、最も理想的な変化を遂げたのが、南アフリカの名醸地ステレンボッシュで有機栽培によって造られるシラー種の赤ワインでした。

以来、その選択に自信と誇りを持ち、現在に至るまで一貫して同じワイナリーのワインを使用し続けています。このブレない哲学と徹底した品質管理が、誰が飲んでも美味しいと感じる安定した味わいにつながっています。

前述のソムリエのプロ評価は?【総合評価4.0点(5.0点満点)】で評価したワインもこの「サブリナ」です。

熟成場所は、黒潮の影響を受けながらも透明度の高い、静岡県南伊豆の沖合。水深15mの海底セラーで、約7ヶ月間、静かな眠りにつきます。

その確かな品質は世界的にも認められており、世界で最も権威あるワイン品評会の一つ「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2024」において、海底熟成させたワインとして世界で初めてシルバーメダルを受賞するという歴史的な快挙を成し遂げました。(出典:IWC公式サイト)

ボトルデザインや重厚なギフトボックスも非常に洗練されており、まさに「特別な日の、特別な贈り物」にふさわしい風格を備えたワインとしておすすめです。

筆者

ただし、お値段はちょっと高めです。私は友人のプレゼントをちょっとだけいただくことができましたが、一生に一度は飲む価値のあるワインです。

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SUBRINA(サブリナ) 商品概要
使用ワイン南アフリカ・ステレンボッシュ産 Graceland Vineyards シラー種100% 赤ワイン
熟成場所静岡県南伊豆町 中木沖 水深15m
熟成期間約7ヶ月(11月~翌年6月頃)
特筆事項・日本における海底熟成ワインのパイオニア
・IWC 2024でシルバーメダルを世界初受賞
・洗練されたパッケージでギフトに最適
価格帯17,500円~(税込)

\1.6万人に選ばれたワイン/

伊豆から届く海底熟成ワイン「voyage(ヴォヤージュ)」

voyage ワイン
画像出典:VOYAGE公式

「VOYAGE(ヴォヤージュVOYAGE公式)」は、同じく静岡県の西伊豆を拠点として展開されている海底熟成ワインプロジェクトです。その名前が示す通り、「旅」や「航海」をテーマにしており、就職や結婚、起業といった、新たな門出を祝うお祝いの品として特に人気を集めています。

VOYAGEの最大の面白さは、海底で熟成させるワインの種類が複数用意されており、購入者が選べるという点です。

たとえば、人気ワイン漫画『神の雫』に登場して一世を風靡したフランス・ボルドーの「シャトー・モン・ペラ」や、驚くほどの凝縮感で人気のイタリアワイン「カサーレ・ヴェッキオ モンテプルチャーノ・ダブルッツォ」など、ワイン好きであれば誰もが一度は耳にしたことがあるような有名銘柄がラインナップされています。(※ラインナップは時期によって変動します)

神の雫で有名になったワインであれば、プリズナーもおすすめです。»プリズナーのワインはどんな味?神の雫で注目された実力をプロが評価の記事で詳しく紹介しています。

「あの有名なワインが、西伊豆の海の力でどんな風にまろやかに、そして優雅に変貌を遂げたのか?」――その答え合わせをする時間は、まさに知的な探求そのものです。公式サイトでは、熟成前の同じワインも販売されているため、両方を購入してその違いを飲み比べてみるのも一興です。

ワイン好きなパートナーへのプレゼントにすれば、きっと会話も弾む、忘れられない体験となるでしょうね。(出典:西伊豆海底熟成ワイン VOYAGE公式サイト)

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VOYAGE(ヴォヤージュ) 商品概要
使用ワインシャトー・モン・ペラ(フランス)、カサーレ・ヴェッキオ(イタリア)など複数の有名ワインから選択可能
熟成場所静岡県西伊豆沖 水深約15m
熟成期間約6ヶ月(12月~5月下旬頃)
特筆事項・ワイン好きなら知っている有名ワインを海底熟成
・複数の種類から好みのワインを選べる楽しさ
・熟成前後のワインを飲み比べる体験も可能
価格帯11,000円~(税込)
筆者

残念ながらVOYAGEワインは飲んでいませんが、熟成させるワインそのものがおいしいことを考えれば、間違いなくハズレはないです。

\ワイン好きなあの人へ贈ろう/

海底熟成酒はワインだけじゃない!ウイスキーや焼酎も商品化

海底熟成酒はワインだけじゃない!ウイスキーや焼酎も
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海底熟成というユニークな技術は、実はその可能性をワインだけに留めているわけではありません。ウイスキー、焼酎、日本酒、ラム、泡盛といった、世界中の様々なお酒でもその効果が確認され、商品化が進んでいます。

特に、アルコール度数が高い蒸留酒(スピリッツ)は、海底で熟成させることで、蒸留したての若い原酒に見られるアルコールの刺激的な角が取れ、驚くほど口当たりが柔らかく、まろやかな味わいに変化する傾向があります。海の微振動が、水とアルコールの分子をより良く馴染ませる(ミキシングする)効果があるのではないか、とも考えられています。

ワイン以外のお酒における海底熟成の効果(一例)

  • ウイスキー: 特にピート(泥炭)の香りが特徴的なスモーキーなタイプは、刺激的な香りが和らぎ、より複雑でまろやかな風味に変化します。トゲトゲしさが丸くなり、奥に隠れていた甘みや旨味が前面に出てくるような感覚です。
  • 焼酎・泡盛: アルコールの刺激感が顕著に緩和され、非常に飲みやすくなります。芋焼酎であれば原料である芋の甘い香りがより一層引き立ち、泡盛であれば長期熟成させた古酒(クース)のような奥深いコクと甘みが生まれることもあります。
  • 日本酒: 味わいが柔らかくなることで、米由来の旨味や甘みが増し、全体のバランスが整うという報告が多くあります。吟醸香などの華やかな香りがより開く効果も期待されています。

現在、日本各地の自治体や酒造会社が、地元の日本酒や焼酎を近隣の海で熟成させる、地域おこしを兼ねたプロジェクトを数多く立ち上げています。ご自身の好きなお酒のジャンルで、海底熟成された一本を探してみるのも、新たな発見に満ちた面白い体験になるかもしれませんね。

結論:「海底熟成ワインはまずい」なんてうそ!

この記事では、「海底熟成ワインはまずい」という気になる噂の真相から、その科学的な背景、本物の魅力、そしてプレゼントに最適な銘柄までを、ソムリエの視点から詳しく解説してきました。最後に、この記事の最も重要なポイントを振り返ります。

  • 「まずい」という噂の主な原因は、品質の低い模倣品の存在や、過度な期待とのギャップである
  • 適切に管理され、良質なワインから造られた本物の海底熟成ワインは、非常にまろやかで美味しい
  • 海底は「安定した低温」「完全な光の遮断」「絶え間ない微振動」という、ワインにとって理想的な熟成環境を備えている
  • 海底熟成は、ワインに明確な良い変化をもたらす、科学的にも合理的な意味のある手法である
  • 陸上熟成との最大の違いは、味わいを滑らかに調和させる「微振動」の有無にある
  • SNSでの評判は賛否両論あるが、特に「特別な贈り物」としての満足度は極めて高い
  • 値段が高いのは、ダイバーによる作業などの手間やコスト、そして唯一無二の希少性という付加価値があるため
  • ボトルに付着したフジツボなどは「汚れ」ではなく、自然と時間が創り出した「アート作品」である
  • ソムリエも、タンニンの滑らかさや味わいの一体感といった、そのポジティブな変化を高く評価している
  • 海底熟成は、ワインの熟成を穏やかに加速させ、より早く飲み頃に導く効果が期待できる
  • その希少性とロマンあふれるストーリー性から、記憶に残る体験を贈るプレゼントとして最適である
  • プレゼントとして選ぶなら、日本のパイオニア的存在「サブリナ」と、選ぶ楽しさがある「voyage」が特におすすめ
  • 「サブリナ」は、一貫したワイン選びへのこだわりと、国際的なコンクールでの受賞歴が品質を証明している
  • 「voyage」は、誰もが知る有名ワインが海底でどう変化したかを楽しむ、知的な好奇心を満たしてくれる魅力がある
  • 海底熟成の技術は、ウイスキーや焼酎、日本酒など、ワイン以外のお酒にも応用され、それぞれでユニークな変化を生み出している

「海底熟成ワインはまずい」という情報は、一部の品質の低い製品や、個人的な期待値とのギャップから生まれた、限定的な意見であると言えるでしょう。

この記事で得た知識を羅針盤にして、信頼できる販売元から本物の一本を選べば、きっと忘れられない素晴らしいワイン体験があなたを待っているはずです。深い海の底で、あなたとの出会いを待ちながら静かに熟成の時を過ごしたロマンあふれるワインと共に、最高の時間をお過ごしください。

\1.6万人に選ばれたワイン/

*20歳未満の飲酒は禁止されています

海底熟成ワイン

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